葬儀までの一週間

母の葬儀は、亡くなってから一週間後だった。

うちの仕事の都合もあったが、一番の理由は鹿児島にいる姪、アヤちゃんの希望である。

妹の娘、アヤちゃんは施設に入っている父方のおばあちゃんのお世話をするため、二年前に鹿児島に移った。

あちらで仕事をしながら、祖父母が住んでいた家や貸している不動産の管理をしている。

実は6年前、おじいちゃんが亡くなった当時、千葉の大学近くで下宿していたアヤちゃんは葬儀に出ることができなかったのである。

なぜならその日は東日本大震災が起きた日だから。

飛行機は飛ばないし、東京近辺の交通機関はしばらくの間マヒ状態。

なので、今回のおばあちゃんの葬儀には

どうしても出たい、

というのがアヤちゃんの願いだった。

母が亡くなる2週間前には、うちの次男の結婚式でこちらに来たばかりなのに、本当にご苦労様である。

葬儀までの一週間、母はセレモニーホールに安置させてもらっていた。

典礼の強力プッシュにより「エンバーミング」処置をしたため、とってもきれいな状態で寝かせてもらっていた。

エアコンをガンガンに効かせたお部屋には、ずっとお線香が焚かれているが、スタッフが24時間常駐しているので、家族がついていなくても大丈夫。

直前までうちの会社は通常営業していたので、毎晩夕飯後にお線香をあげに行き、後はお任せで帰って来られる。

なんて楽なの

嫁に来てから、我が家ではこれまでに二回葬式を出している。

どちらも自宅葬である。

34年前の冬。

私は妊娠9か月の大きなお腹だったが、葬儀までの数日、大勢の親戚が我が家に泊まってくれていた。

多分20人以上。

嫁の仕事はごはん作りなので、もうてんてこ舞い。

23年前の真夏。

連日の猛暑でドライアイスを買っても買っても足りない。

この時も葬儀まで3日くらい日にちがあいたのだが、親戚多数が泊まり込んでくれて台所はおおわらわ。

三男はまだ1歳半と手がかかる時期なので、生きてるこちらが死ぬんじゃないか、と思うくらいハード。

思わず調剤薬局に駆け込み

「なんでもいいから元気が出るヤツ下さい!」

と言ってドリンク剤を購入した。

その記憶を思い起こすと、セレモニーホールの存在はありがたすぎる。

今回お借りした家族葬用のホールには、10畳の座敷とトイレ・バスがつき、布団やねまき、アメニティセットも用意されている。斜め向かいはコンビニだし。

今回はお通夜なしの一日葬だったのだが、葬儀前日は妹一家と我が家で遅くまでそこで過ごし、結局宿泊したのは妹とアヤちゃん。

日々入眠に苦労する私は、パスさせてもらった。

ちなみに、妹は

「息を吸って吐いたとたんにもう寝ている」

と旦那さんの太鼓判つきの眠り姫である。

暑いさ中の長丁場、なんとか乗り切れたのは、

ひたすら充実設備のセレモニーホールのお陰

である。

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